Mach3操作手順 – Mach3レーザー設定

概要 & 必要条件

本ガイドは、CNCレーザーをMach3で構成する方法を三つの代表的な方法について解説します:スピンドル(PWM電力有無問わず)、クーラント(M7/M8)、および動作中の瞬時ON/OFF用M11/M10です。コントローラーまたはブレークアウトボード上の空きデジタル出力1chと、TTL/PWM入力対応のレーザードライバーが必要です。

  • 安全: 適切なレーザー防護メガネの着用、インターロック追加、電源遮断時の配線確認を徹底してください。
  • バックアップ: Mach3プロファイル(.xml)を複製し、「Laser」専用プロファイルで作業してください。
  • 配線基礎: 空き出力ピンをドライバーのTTL/PWM入力へ、コントローラーGNDをドライバーGNDへ接続してください。極性と必要な信号反転の有無も必ず確認してください。

オプションA — スピンドル(M3/M4, M5)を用いた単純ON/OFF制御

既存のCAMポストがM3/M5出力であれば、スピンドルリレー割当てでレーザーをトグル動作させることが可能です。

  1. 出力割当て: Config → Ports & Pins → Output SignalsOutput #1有効化 → 適切なPort/Pin設定 → 必要に応じてActive Low設定。
  2. スピンドルリレー: Config → Ports & Pins → Spindle SetupDisable Spindle Relaysを解除 → M3/M4Output #1へ割当て → リレー遅延は0秒に設定。
  3. Gコード使用例: M3/M4 = レーザーON, M5 = OFF。
(例)
M3              (レーザーON)
G1 X50 F2000
G1 Y30
M5              (レーザーOFF)

オプションB — クーラント(M7/M8, M9)によるON/OFF制御

スピンドル設定を変更したくない場合は、レーザーをクーラント出力へマッピングし、M7/M8/M9で制御可能です。

  1. 出力有効化: Config → Ports & Pins → Output SignalsOutput #1にPort/Pin割当て。
  2. クーラント割当て: Spindle SetupDisable Flood/Mist Relays解除 → Mist (M7)またはFlood (M8)Output #1へ割当て → 遅延は0秒
  3. Gコード使用例: M7/M8 = ON, M9 = OFF。

オプションC — スピンドル(S値)によるPWM出力制御

PWM有効化により、GコードのS値でレーザー出力パワー(0~100%)を直接制御できます。

  1. PWM有効化: Config → Ports & Pins → Spindle SetupUse Spindle Motor OutputおよびPWM Controlをチェック、Minimum PWM = 0設定。コントローラー対応のPWMBase Freq(通常数百Hz、外部モーションカードはプラグイン設定)が必要です。
  2. プーリー設定: Config → Spindle PulleysMin Speed = 0Max Speed = 100Ratio = 1S0–S100を0~100%出力へ。
  3. ピン割当て: Config → Ports & Pins → Motor Outputs → スピンドル出力をPWM使用ピンに割当て。
  4. Gコード使用例: M3/M4でPWM開始、Sで出力設定、M5で停止。
(例)
M3 S100         (100%出力)
G1 X40 F2000
S50             (切削中に50%に減力)
G1 X80
M5              (レーザーOFF)

動作同期の瞬時ON/OFF制御(M11/M10)

極めて正確なON/OFFタイミングが必要な場合は、M11P#(ON)およびM10P#(OFF)を用いて、次の移動開始時(G0/G1/G2/G3)に完全同期して制御できます。#はMach3でマッピングしたOutput #です(物理ピン番号ではありません)。

(PWM + M11/M10の使用例)
G90 G21
M3 S70           (PWMを70%でアーム)
M11P1            (次の動作からレーザーON)
G1 X60 Y0 F2500
G1 X60 Y40
M10P1            (次の動作からレーザーOFF)
G0 X0 Y0
M5 S0            (停止)

注: 一部の外部モーションコントローラーでは、プラグインでM11/M10およびPWMの有効化が必要です。

トラブルシューティング & ベストプラクティス

  • 出力なし: Port/Pinの相違、Output #が有効であるか、ロジック反転(Active Low)の要否を再確認。
  • 焼け点・遅延: スピンドル/クーラント遅延を0秒に。ベクトル刻印にはM11/M10推奨。
  • PWM異常: PWM Controlが有効・プーリー範囲が0–100であるか、PWM基本周波数をプラグインにて指定済みかを確認。
  • クーラント割当てのヒント: Disable Flood/Mist Relaysを解除。M7/M8をOutput #へ割当て、遅延は常時0に。
  • CAM/Gコード: レーザー用に最適化されたポスト(不必要なZ軸動作排除、SM11/M10出力指示有り)を使用。
  • 焦点・エアアシスト: 一定の焦点高さとエアアシストを維持すると、端面品質・加工速度が大幅に向上します。

便利なツール

対応CNCソフトウェアやレーザー用ポストプロセッサを活用し、Mach3レーザー作業を最適化しましょう。